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土曜日, 9月 09, 2006

北海道新聞 道南

災害時にガス・電気使わず温か 江差福祉会、備蓄用米飯を開発:
  2006/09/08 14:43

 【江差】江差福祉会(半沢節子理事長)が道の協力を得て、フリーズドライ加工したご飯と発熱剤を組み合わせた災害備蓄用米飯食品の開発を進めている。ガスや電気を一切使わず、温かいご飯ができる商品は全国でも珍しく、十二月の発売を予定。マイタケやイチゴなど地場産品を具に使い、災害用だけでなく、桧山の新しい特産品に育てたい考えだ。

 災害備蓄用の米飯食品は、お湯や水でご飯に戻すことができる温風乾燥米がすでに販売されている。しかし、災害でライフラインが途絶えた場合、救援体制が整うまで湯を沸かすのも難しく、商品一つでこれを可能にしようと企画した。

 商品は直径十五センチのプラスチック製の容器に、フリーズドライ加工したご飯百グラムと水が入っている。これらを混ぜ、底に入っている発熱剤のひもを引けば、十五分で約五○度に温められたご飯が一人分、出来上がる。価格は一個五百-六百円程度になるという。

 保存用ご飯は、製造コストが安い温風乾燥したものが一般的だが、フリーズドライ加工のほうが本来の味や食感により近い状態に戻る。同福祉会は職員一人を道立食品加工研究センター(江別市)に派遣、桧山産の食材を具に使い、加工法の研究を重ねている。

 現在、「ご飯」「マイタケご飯」「イチゴご飯」、麦やアワなどが入った「五穀ご飯」の販売を考えており、施設内にフリーズドライ加工の装置を導入する。また、石灰と水を使った発熱剤も手作業で製造する。道は、施設を利用する障害者だけでなく、住民の雇用も期待できる地域貢献型ビジネスとして支援。地元での試食会などを通じPRし、特産品として販路拡大を促したい考えだ。

 同福祉会は災害備蓄用缶入りパンを製造しており、昨年度七十万缶を全国の自治体などに販売した実績がある。樋口英俊総合施設長は「災害直後から温かいものが食べられるかどうかは被災者にとって重要で、需要は多いのではないか」と話している。