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一歩前に進んだ防災用品選び
防災用品
9月1日は「防災の日」。ここ数年の大型地震の発生や、大雨や台風などの被害の増加で、防災への意識は高まるばかりだ。それを受け、生活雑貨店などの防災用品コーナーの売れ筋にも変化が起こり始めている。基本的な防災用品をそろえることから、勤務先から自宅への帰宅支援セットや、栄養とおいしさを追求した非常食、ペット用の非常袋といった、より具体的に被災を想定し、確実に生き延びることを考慮した防災用品に注目が集まっているのだ。備えあれば、憂いなし。最新防災用品事情を聞くと-。
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約300アイテムの防災用品が並ぶ、東京・渋谷の東急ハンズ渋谷店。同店防災用品売場の安土知宏さんによると、非常用持ち出し袋や家具の転倒防止器具といった従来の売れ筋に加え、「最近は、勤め先や学校から徒歩で自宅に帰るときに役立つ帰宅用緊急避難セットなどの需要が増えている」という。
同店では、「ハンズオリジナル緊急避難セット3 帰宅用SAFETYバッグ」(7000円)を販売。中には、熱に強い綿100%の軍手、防塵用マスク、FM/AMラジオ、非常用携帯充電器、熱を反射し防寒にも役立つ救急シートなど、会社で被災したサラリーマンが、家にたどりつくために必要なグッズがずらり。「職場の机の脚元など、万が一の際に、すぐに使える場所に置いておいてもらうことを想定しています。さらに、自宅に歩いて帰るための地図、歩きやすい靴、雨具、1~2食分の非常食を入れておくと役に立つ」(安土さん)。
非常食にも、ピーナツ味やゴマ味でおいしく食べられる「救難食糧イーアール」(1食入り、350円)や、火や水、電気などを使わずに約30分で栗五目ごはんなどの温かい食事が用意できる「レスキューフーズII」(1050円)などが登場。栄養面だけでなく、おいしいもの、温かく食べられるものが人気だ。安土さんは「災害時でも、なるべく不快な思いをせずに過ごせるよう準備したいと考える人が増えている」という。
ロフト(東京都新宿区)では、なんとペット用の持ち出し袋が発売された。「ペット用防災セット」(1万4700円)がそれで、簡易折畳みテント、リード、保存用ピュアウオーター、タオル、粘着包帯、簡易フードボード、名札ネックレス入りだ。
同社店舗運営部プレスルームの森山いずみさんは、「ペットは家族の一員。防災に対する意識が高まったことで、防災用品も、個々の生活にあわせたものへと広がってきている」とみる。
生き延びるために、最低限のものをそろえるだけでなく、個人の生活、具体的な状況を意識した防災用品を求める時代へ。災害への準備は、新たなステップに進んでいるようだ。
【関東の大地震】
関東地方で起きた最後の大地震は83年前の大正12年(1923年)9月1日の関東大震災。「防災の日」は、この震災での教訓を忘れないようにと、昭和35年(1960年)に制定されたものだ。関東の大地震は、70~80年周期で起こるとの説もあり、地震予知連絡会では、地殻変動の状況から、南関東地方と東海地方を観測強化地域に指定している。内閣府では、首都地域で関東大震災(M7・9)クラスの大地震(M8を想定)が起こる可能性は、今後100年はほとんどないとしているものの、阪神淡路大震災(M7・3)に近いマグニチュード7程度の直下型地震は、数回起こるとみている。
【新タイプの防災訓練】
NTTドコモ(東京都千代田区)では、「災害用伝言板体験サービス」を10日まで実施。大規模災害の発生時に同社携帯電話のiモードで安否確認ができる「iモード災害用伝言板サービス」が体験できる。また、インターネットプロバイダーのニフティ(東京都品川区)と災害・防災・危機管理情報サイトを運営するレスキューナウ(同)は、1日正午から2日正午にかけて、大規模地震を想定した全国規模のインターネット防災訓練「ネット防災訓練2006」を実施。北海道・東北、関東・中部・北陸、西日本の3ブロックに分け、訓練用災害情報に応じて、利用者が被害状況を情報提供するシステムを疑似体験できる。訓練は、誰でも参加可能。URLは、http://rescuenow.nifty.com/tokusetsu/kunren2006/。
防災館
★防災館で災害を疑似体験
東京・池袋の池袋防災館では、地震、火災、煙、救急の4つの体験コーナーを用意、楽しみながら防災について学べる。それぞれ約30分ずつ、計2時間のインストラクターによるツアーを無料で実施。館内では、震度6以上の地震の揺れ、消火器を使用した消火訓練、煙の性質を学び、煙の中で出口を探しながらの避難、人工呼吸や心臓マッサージ講習などが体験できる。同館の松村龍也さんは、「災害時に大切なのは、頭の中の知識だけでなく、実際に体が反応できること。繰り返し訓練することが大切です」。都内にはほかに、本所防災館(墨田区)、立川防災館(立川市)があり、他の自治体でも防災館を設置している。問い合わせは、池袋防災館TEL03・3590・6565。
非常用の持ち出し袋
★これだけはそろえよう!
安土さんによると、家庭で必ずそろえたいのは、非常用の持ち出し袋と災害時用の備蓄品。持ち出し袋には、綿100%などの燃えにくい素材の軍手、AM/FMラジオ、懐中電灯、1日分の水と非常食(人数分)、救急セットや常備薬、アルミ製の防災保温シートなどの防寒用品を用意する。「食糧や水は賞味期限を1年に1度は確認。給水袋や、泥水などを飲料水にかえる水筒型の高性能小型浄水器があると便利」(安土さん)。市販のセットでも良いが、乳幼児がいる場合は離乳食やおむつなど、家庭の事情に合わせてつけ加える必要がある。災害用の備蓄品は、家族が最低でも3日間過ごせるだけの食糧や水を用意。カセットコンロのボンベのほか、バケツや緊急・災害用トイレ処理セットがあると、断水の時に役立つ。
東急ハンズ渋谷店おすすめ防災グッズ
★エマージェンシーバッグ(213センチ×91センチ)/1029円=NASAが開発したポリエステルアルミニウム蒸着シートを応用。寝袋型で、毛布の3倍の保温力を発揮。マイナス40度まで使用できる。学童用の簡易防寒具「防災保温シート」(180センチ×100センチ・35グラム、473円)なども
★震災時帰宅支援マップ/840円=大ヒットした「震災時帰宅支援マップ」の増ページ改訂版。徒歩で自宅まで帰るときの手助けになる地図帳で、道路別の予想状況を詳しく表示。都心からの移動距離や、震災時に設置される帰宅支援ステーション、歩行時の危険場所なども掲載
★救難食糧イーアール(1食入り)/350円=調理不要でそのまま食べられる非常食。真空パック入り。ピーナツ味のビスケットバー、ゴマ味の乾燥ゼリー各1個入りで、総熱量は306キロカロリー。3食入り(892円)もある
★レスキューフーズII/1050円=発熱剤、発熱溶液の使用で、火や水、電気などを使わずに約30分で温かい食事が用意できる。栗五目ごはんとつくねと野菜のスープの缶詰入りで、レンゲ、紙ナプキン付き。賞味期限は3年
★地震感知 充電たまご/7480円=震度4以上の揺れで、約1分間サイレンが作動、ライトが点灯するLEDライト&サイレン機能付きラジオ(AM/FM/防災)。充電方法はACアダプター、カーシガレット、手回しの3種類。携帯電話への充電も可能
★せいけつさん(1回分)/368円=断水時などに、自宅などの既設トイレやポータブルトイレで使用できる緊急・災害用トイレ処理セット。ビニールを便器にかぶせて使用、消臭効果がある消毒薬と凝固剤を入れる。ビニールを閉じれば、生ゴミとして処理できる。50回分(9450円)あり
★非常用給水バッグ/315円=最大水量5リットルのポリエチレン製給水バッグ。全開口式で給水が早く、水量がわかるメモリ付き。Wファスナーで水漏れを補強。持ちやすいよう手提げ穴が付いている
★止マット 食器棚用(300ミリ×400ミリ)/1260円=食器などの落下を防ぐ、半透明のすべり止めマット。表面が凸凹加工されたシリコンラバーを使用。ハサミで簡単に好きな形に切ることができる。水洗いも可能で、耐熱性(200度)、耐寒性(マイナス50度)、耐薬品性に優れている
★震護(しんご)くん(システムキッチン 引出し用)/2100円=地震の揺れを感知し、瞬時に引出しをロック。システムキッチンの引出しの飛び出しによるけが防止に役立つ。揺れがおさまるとロックが自動的に解除
★シグマゲル(40ミリ×40ミリ、4枚入り)/2300円=家具、パソコン、テレビなどの転倒・落下防止用マット。粘着力が強く、阪神大震災より地震加速度が大きかった新潟中越地震の再現波での実験にも合格。耐久性も高い
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